Concept

「日本の素材、畳」

畳の部屋があると、どうしたものか不思議と落ち着くものです。

ほど良い堅さ、夏は涼しく冬は暖かい素材感、イグサの香り。。。

理由は様々あるとは思いますが、畳は湿度が高い日本の風土が生み出した日本人の生活の知恵であり、日本固有の床の仕上げ材として、奈良時代から伝承されてきたようです。しかし、日本人が無国籍な住まいを受け入れる中で、近年、畳を知らない子供が増えていることは残念であり、また危惧しています。

この畳の原材料となる藁(わら)は、日本人の主食である米づくりの副産物で、乾燥させた稲の茎です。

藁は草蛙(ぞうり)や藁葺(わらぶき)き屋根の材料としても、100年前の生活では欠かせないものでした。樹木が建材として利用されるまでには植林してから最低でも40年ほどかかりますが、藁は毎年大量に生産される最もエコロジカルな建材です。また、使い続けることで、循環型社会を維持することができます。ところが、近年、中国産の藁床(わらどこ)や畳表(たたみおもて)が増えているのは悲しいですが現実の姿です。

私は建築家の一人として、畳に限らず材木や土壁など、環境負荷の少ない国内の自然素材を可能な限り現代の住まいに生かす提案を様々な機会で呼びかけ、また実現して参ります。

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