私の祖父、4代目佐々木嘉平は宮大工の棟梁として、東京都内唯一の国宝、東村山の正福寺地蔵堂、目黒区碑文谷の圓融寺(重文)、深大寺鐘楼(重文)など、数多くの文化財の復元、修理、社寺建築の新築を手がけ、またブルーノタウトが日本で唯一設計し実現した旧日向別邸を建てて参りました。
6歳の頃、祖父に連れられて見学した円融寺本堂の根本修理の現場以来、祖父は私にとって偉大な存在です。しかし、同時に現代に生きる若者としては、新しい建築との出会いも刺激的なものでした。高校生の時に手にした建築雑誌の表紙は、フランクロイドライトが設計したグッゲンハイムミュージアムの螺旋状の吹抜写真で、斬新なデザインには衝撃を受けました。
古(いにしえ)からの長い伝統がある日本の建築が、周囲の環境(ランドスケープ)と一体でデザインが考えられ、先人達が美しい調和の取れた空間を数多く造り出してきたことに、日本人のひとりとして誇りに思う一方で、新しい空間を創造できる建築という職業の奥深さに魅力を感じ、建築家を志すこととしました。
株式会社 ケンアンドスタジオバンガード 一級建築士事務所
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